金沢市・末浄水場(すえ・じょうすいじょう)訪問レポート
《コーヒーと水道水の相性について》 |
| 2005年3月 |
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コーヒー関連書物に水についての記述を見ると、次のような表現を見ることがあります。
・硬水より軟水がふさわしい。
・日本の水道水がコーヒーには充分に適している。
私達はお客様にコーヒーの話しをする際も、水に関しては同じ表現をしています。また、個人的に美味しい名水を求めて山に行ったり、デパートのミネラルウォーターのコーナーに立ち止まったりします。
しかし、日常一番触れている水道水について私達はどれ位知っているでしょうか?また、季節によって旬の味覚は移り、人によっては求めるコーヒーの味覚も移りますが、水道水の成分なども自然界の影響を受けるものなのでしょうか?
今回は『おいしいコーヒー』と水道水の関係を探すべく、金沢市の末浄水場を訪問しました。
そして自然界の原水から水道水が作られ、配水される行程の一部を教えていただきました。 |
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| 【県内の浄水施設】 |
石川県には犀川・浅野川・手取川といった美しい川が流れています。手取川犀川周辺にはそれぞれの伏流水(河川の流水が地下層でろ過され再び現れる地下水)を使って醸造する地元の日本酒メーカーが幾つもあります。
水道水を供給する為の浄水施設としては、末浄水場が犀川から原水を取り入れ、犀川浄水場が内川(犀川の支流)から、鶴来浄水場が手取川から原水を取り入れています。
今回訪問した末浄水場では1日に105000tの給水能力をもっています。また、末浄水場は環境に配慮した浄水場として昭和60年に『近代水道百選』に選ばれました。平成13年には所内の数件の施設が国の有形文化財として登録されました。
浄水場を出た水道水は配水場を通り、県内を網羅している水道管を通って各地に送られます。
給水設備としてはヒトの血管の大動脈にあたる大きな配管が県内になされ、そこから毛細血管にあたる配管が各家庭につながっています。そして配管の要所にはポンプが設置され水道水がムラ無く流れるように稼動しています。
犀川、手取川の水は、水道管の中で程よくブレンドされながら、私達のもとへ届きます。白山水系の恵みが、水道事業によって私達に供給されているのです。 |
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・緩速ろか池 |

・緩速沈澱池 |
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| 【水道水の成分】 |
大切なコーヒーの味に結びつく水道水の成分についての質問をしました。
金沢企業局が水道水の成分についてホームページ上で情報公開しています。 |
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| ・硬度/ |
水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウム量に置き換えたもの。
硬度が高いものを硬水と呼び、口当たりも文字通りに硬い。硬度が低いものを軟水と呼び口当たりも柔らかい。一般にコーヒーには軟水が向いているといわれている。
ヨーロッパは硬水が主で、それに合ったコーヒーとしてヨーロピアンローストといわれる深煎りコーヒーが飲まれた。近年は軟水機が発達してロースト度合いも以前よりは抑えられているといわれる。 |
| 区分 |
一般的な基準 |
| 軟水 |
0〜100mg/L |
| 中硬水 |
100〜300mg/L |
| 硬水 |
300mg/L〜 |
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| 末浄水場で配水される水道の硬度は季節により30mg/Lから40mg/Lの間(軟水)で推移していますが、コーヒーの味覚に影響のあるような、季節による際立った変動は見受けられませんでした。 |
| ・PH/ |
| 水溶液中の酸素イオンの濃度。酸性、中性、アルカリ性の評価の基準になる。 |
| 性質 |
PH |
| 酸性 |
1〜6 |
| 中性 |
7 |
| アルカリ性 |
8〜 |
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| 末浄水場の水道水は年間を通じてPH7の中性に保たれています。 |
| ・蒸発残留物/ ミネラル成分 |
| ・残留酸素/ 減菌に使用した酸素の残留量 |
末浄水場の水道水は、国の指導による基準値を守っています。
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| ◇水道水の味に関係ある数値(抜粋) |
金沢市企業局平成15年度結果
厚生労働省『おいしい水研究会』要件資料 |
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| 項目 |
金沢市水道平均水質 |
国の水質基準値 |
おいしい水の要件 |
| 硬度(mg/L) |
29.7 |
300以下 |
10〜100 |
| 蒸発残留物(mg/L) |
56 |
500以下 |
30〜200 |
| 有機物質(mg/L) |
1.2 |
10以下 |
3以下 |
| PH値 |
7.55 |
5.8〜8.6 |
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| 味 |
異常なし |
異常でないこと |
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| 臭気(度) |
異常なし |
異常でないこと |
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| 色度(度) |
1未満 |
5以下 |
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| 濁度(度) |
0.1未満 |
2以下 |
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| 残留塩素(mg/L) |
0.39 |
0.1以上 |
0.4以下 |
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| 【水道水とコーヒー】 |
コーヒーをいれる時によく言われる水の話を担当の主任技師の方に質問しました。
Q. 水道水は汲みたてがいいのか、汲み置きがいいのか?
A. 汲みたての水には酸素が多く含まれていて、それが咽越しの良さにつながります。また、紅茶の抽出にはポット内でのリーフティーの流動(シャンピング)を促し、抽出を良好 なものにします。水道水を汲み置くと、残留塩素が揮発し、水の香りが柔らかくなります。暫くの汲み置きは有 効かとも思われます。保管は冷蔵庫でするか、沸かすときは沸騰させると減菌になります。
Q. 朝一番の水道水は破棄したほうがよいのか?
A. 一晩蛇口内で溜まった水は、蛇口構造上いろんな付着物や残留物がある事が考えられます。朝の最初の水を破棄し、本管を流れる水を使用するとよいでしょう。 |

・主任担当技師の伊勢さん。
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・原水棟 |
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| 【考 察】 |
水道水が白山水系の水を水源とし、県内に住む私達が使っている水道水は手取川や犀川から供給されている事を知りました。
また成分的な質疑応答の中では、水道水は安全と健康のために管理されている事を知りました。
季節的な成分の変動は、今回は見受けることができませんでした。これは水道水が安全に管理されている証しとも取れる結果でした。
コーヒーの味覚と水道水との関係について、今回は深く追求するには至りませんでしたが、この取り組みはこれを始まりとして、普段言い伝えられている水についてのいろんな事を検証していきたいと思います。 |
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| 【後 記】 |
テーマとしてはコーヒーをいれるには水道水がいいのか、それとも天然の涌き水がいいのか、またミネラルウォーター、深層水と、コーヒーと水との相性に迫りたかったのですが、今回は水道水の基礎知識を教えて頂くことにさせていただきました。
季節による味覚の変化と水道水の成分について、私は非常に興味を持っていました。その為のいくつかの質問をする事によって学んだことがあります。
それは企業局の方々が自然の恵みを大切にしながら、地元住民の皆さんのために安全な水を提供しようと取り組んでいる姿勢を強く感じたことです。
また、企業局の情報公開意識の高さを感じました。主任技師の伊勢様にはお忙しい中、快くおつき合い頂きまして、感謝しております。 |